愛知県春日井市に暮らす老夫婦のドキュメンタリー映画
映画「人生フルーツ」は、愛知県春日井市に暮らす老夫婦のドキュメンタリー映画です。
私は、同じ東海地方在住ですから、老夫婦が暮らす愛知県春日井市を知っています。また、これまでにお二人の本を読んでいて、その暮らしぶりに興味と憧れを持っていました。また、書籍ではわからない、ご夫婦の声を聞きたかったのです。
というわけで、名古屋のシネマテークで観てきました。映画は連日満員続きで、異例の再アンコール上映中でした。私が行った日も、定員60~70名程の館内が上映30分前には8割がた埋まる盛況ぶり。勿論、上映開始時間には満員御礼でした。
美味しいものを食べる幸せ
建築家であるご主人の津端修一さんは、90歳。奥様の英子さんは87歳。でも、お二人ともとてもよく働きます。
育てている野菜は70種類、果実は50種類。庭のキッチンガーデンに落ち葉を撒いて土づくりをし、実った果実でジャムを作り、ケーキを焼く。
英子さんがつくる巨大なプリン、苺のショートケーキ、ビーフシチュー、ジャガイモのコロッケ…、クツクツ煮込んで作るお料理、その全てがとても美味しそうでした。
それらを観て、「お料理をしたい!!」という衝動に駆られた人は、少なくないと思います。(私がその一人です。)美味しいものを自分の手で作っていただく。これって、幸せの形だと思います。
愛情豊かで、丁寧な老夫婦のくらし
暮らしのそこかしこには、修一さんが作った黄色い看板が付けられています。看板には、英子さん、お客さん、はたまた野生の小鳥たちに向けたメッセージが刻まれています。そこには、暮らしを便利にするだけにとどまらない、ユーモアと愛情が散りばめられていました。
そんなひとつひとつから、長いこと時間をかけて、丁寧に暮らしを積み重ねてきた年輪が見てとれました。老夫婦の暮らしは、樹木希林さんのナレーションが語る、この言葉そのものです。
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
まとめ
映画の中にでてくる、英子さんが名古屋まで野菜を買いに行く理由、孫娘や大切な人たちへ小包を贈ること、土を作ること、ハンコの件、建築家としての最後の仕事、割れた水がめの件…etc.
映画のはじめから最後まで、大切なことやヒントが、そこかしこにたくさん散りばめられているステキな映画でした。
なので、映画のラストに至る随分前から、そして昼間から、じ~んと泣けている私でした。そんなだから、映画を観終わって、明るい日差しの下にでるのが気恥ずかしいのでした。
でも私、知ってます。私の右隣に座っていた男性も泣いてましたから。
お二人の本も出ています
私が津端夫妻を知ったのも、書籍がきっかけです。書籍には、映画のチップが詰まっていますね。是非、手に取ってみてください。