【本】小説「10年後の恋」辻仁成著を読んで心ざわつく私

SNSがこれまでのイメージを変えた人

パリ在住の作家&ミュージシャンである辻仁成氏。最近、彼のInstagramをフォローしています。

辻氏を知ったのは、江國香織さんとのコラボ小説「冷静と情熱の間」(1999年出版)です。

その時は、江國さんのセンスに感銘を受けてそちらに夢中になり、辻氏は掘り下げませんでした。

その後、辻氏が中山美穂さんと離婚。シングルファーザーとなって、息子さんの為につくったお弁当の記録本を出しています。それを見て、Instagramフォローにまでつながりました。

その辻氏の最新小説が「10年後の恋」です。

十年後の恋 [ 辻 仁成 ]

舞台はフランス・パリ。それは、ご本人が20年程暮らしているからこそ描ける小説でした。そして、コロナ禍の状況を組み込んだタイムリーな内容でした。作家さんは執筆が速いな…。

で、私が一番引っかかった部分は、最後の箇所。小説から少しはみ出したかのような、何やら、2021年の行く末を見越したかのような言葉があるのが気になってしまいました。

転変地変、戦争、感染症の猛威、超大国の覇権争い、炎、激動の時代…、そんな物騒な言葉がサラリと羅列されていました。

予言が当たった2020年

さて、遡ること2019年の夏。ポルトガルで夏休みを過ごした私は、周りの人から2020年は大きな変化が起こる。株も暴落する。なんて話を聞いていました。

で、2020年に広がったコロナ禍。さすがに、ウィルス感染を明確に予言した言葉は聞きませんでしたが、世界中を巻き込む大きな変化という事実は当たっています。

そして未だ続くコロナ禍。誰もが何とはなしに、不穏な空気感を感じ、警戒しているかもしれません。

私自身、2021年の今年、何も起こらないとは思えないのが薄ら怖いのです。地震も頻繁に起きてますし。東京オリンピックまであるし…。

とはいえ、あがいたところで私の力の及ばないことはどうにもできません。せめて、塩漬けの株をなんとか売り抜けたいと思ってはいるのですが、欲の塊が邪魔をしています。

総じて私は、今を生きるしかないです。でもこの先、何かが起こった時、目の前の現実を受け止めて対処する覚悟が必要な気がしています。

これも、私の人生…、と。