長く鑑賞できるクリスマスローズ
冬の間、1ヶ月以上にわたって楽しんできたクリスマスローズ。鑑賞できる期間が長いのは、冬の時期にはありがたいことです。
とはいえ、3月も後半になるとそろそろ終盤の様子です。「あぁ、もう少し鑑賞していたい」と後ろ髪を引かれますが、そろそろお手入れの時期にきていることもわかっています。
クリスマスローズの魅力
さて、これまで「今年もクリスマスローズの花が咲いた!!」と喜んでは、正面からしげしげと眺めていた私です。実際のところ、正面から見る様子は形や配色が、それはそれは繊細で、美術品のような完成度なのです。(そりゃ、見ます。)
下のクリスマスローズは、既に「雄しべ」も「蜜腺」も落ちて、「子房」と「がく片」だけになっています。
それでも、中心の「子房」の黄緑色や、「がく片」の色合いの妙(白い中心部から葡萄色になって、マットな黒紫に代わる様子)、そんな色彩センスに、私は無条件降伏な気分になっています。
ご存知の方も多いと思います。クリスマスローズは、普段、鑑賞している部分は「花びら」ではなくて、「がく片」ですね。花びらは退化して「蜜腺」となり、「雄しべ」の周りをグルリと囲んでいます。
例えば、我が家のブラックパールの「蜜腺」①は内側が黄みどり色、外側がこげ茶色をしています。そして「がく片」②は、マットな黒紫です。
この色彩のセンス…。(そりゃ、正面から写真、撮りまくります。)
それがですね。ある日、気付いてしまいました。それは、ベランダに置いたクリスマスローズの様子を見た瞬間です。
私の立ち位置は、ベランダより一段高い部屋のヘリ際です。見ている角度としては、斜め上から見下ろす角度です。この角度では勿論、クリスマスローズの顔を正面から見ることが出来ません。見えたのは、花、いえ、「がく片」の裏です。
コロンと丸みを帯びてうつむく「がく片」のその姿。それは、有無を言わせない存在感を放っていました。その可愛いこと。なんて言いますか、私は心をわしづかみにされた感じです。
クリスマスロースの魅力は何も、正面の顔ばかりではなかったのです。それに、ようやく気付いた私です。これまで、花を下からばかり覗き込んでいた私は、何だったのでしょう…。
改めて、クリスマスローズが好きになった、瞬間です。