今も昔も変わらず、興味深々の博物館
思えば、かれこれン十年前。中学生の私がいたく感動した場所。それは、岐阜県岐阜市にある名和昆虫博物館でした。
野外研修の自由行動で、友達と一緒に入ったのです。記憶をたどればそこは、明治・大正の時代を感じるレトロな空間。室内を埋め尽くす数の昆虫標本が、窓から入る午後の光に照らされていました。
それは、胸躍る異空間。うぉぉぉ…、オモシロイ!! 綺麗!! これといって、昆虫好きだったわけではないのに、壁を埋め尽くす昆虫標本の並びだけなのに、相当、楽しかった思い出です。
月日は流れ、令和の時代。既に十分な大人になった私が再度、名和昆虫博物館を訪れることになるとは…。
行ってきました。
そして、入館した途端にこれです、これ。昆虫標本の洪水。相変わらず、速攻でワクワクしている私です。
名和昆虫博物館は、大正8年(1919年)10月26日オープン。なんと、100年を超えたところです。
設立当初は、農作物害虫やシロアリなど害虫駆除のための啓蒙普及の場であったそうです。それが、時代の変化とともに、自然教育の一環としての昆虫博物館に移行されていったとか。
館内は、中学生の時より、数も見せ方も厳選されたように感じます。いやいやいや、もしかして、私が昔に行ったのは、記念昆虫館だったのでしょうか???
昆虫たちは、見れば見るほどにバランスのいい形態をしていて、カラーコーディネートも抜群のセンスです。私には説明書きは不要で、ただただ、アート作品を見る感覚で眺めて周りました。
2階は、クイズ形式で、昆虫の知識が学べる展示。この場で、昆虫好きな子供たちが夢中になっている姿は想像するに難くないです。
何なんだろう、この充足感。数の説得力でしょうか。自然美の圧倒でしょうか。やっぱり、どうしたって面白かった…。
そして、「好みって、そうそう変わるものじゃないな」と、半ば観念してこの場を後にしたのでした。