ゴディバ(GODIVA)チョコレートの思い出

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ずっと、昔。

姪っ子が、まだ小学校に上がる前の話です。

姉が幼い娘2人を連れて、実家へ遊びに行く際、私も合流することがありました。そして、実家の母と皆でスーパーに買い物に行ったものです。

そして、パン屋の前でお婆ちゃんである母が小さな孫2人に言いました。「好きなパンをひとつ、選んでいいよ。買ってあげるから」と。

小さな2人は、それぞれに好きなパンを選び、買ってもらいました。

そして、事件が起きました。

買い物を終えて、皆で実家に帰った時です。小さなお姉ちゃんが半泣き状態です。そして、言いました。

「○ちゃん(妹)が、わたしのチョコチップメロンパン、食べちゃったのぉぉぉ」

状況は簡単です。妹は、お姉ちゃんが選んだパンの方が欲しくなり、断りもなく食べてしまったのです。食べた本人は、シラ~ッとしてます。分かりやすい図です。

それにしても、もし私がお姉ちゃんの立ち場だったら、きっと大泣きしてるだろうになぁ…と思いましたよ。私は、ぐっと我慢している小さなお姉ちゃんを、とても愛おしく思いました。

そして後日

また、姉と小さな姉妹2人が実家に遊びに行くと聞きました。そして、彼女たちと合流することになった私。その時私は、鞄にゴディバのチョコレート2粒を忍ばせていました。チョコレートは、お店で丁寧にラッピングされて、リボンもかけられています。

働く伯母ちゃんの経済力でもって、小さなお姉ちゃんを慰めたくて用意したチョコレートです。(…って、大した経済力でもなければ、チョコレート2粒の金額は知れていますね)

そして私はタイミングを見計らい、お姉ちゃんにこっそりゴディバのチョコレートをあげたのでした。「この前、○ちゃん(妹)にチョコチップメロンパン食べられちゃったでしょ。その代りね」と言って。もちろん、妹には内緒です。

小さなお姉ちゃんは、その意味を十分に理解した様子で、それは嬉しそうにゴディバのチョコレートを食べました。そんな思い出。

 あれから、十数年。

今では、姪っ子2人の身長は私のそれを軽く超えました。

多分、姪っ子は2人ともチョコチップメロンパン事件をすっかり忘れているだろうな。そして、お姉ちゃんはゴディバのチョコレートのことも。

そして、気付きました。そうか、あの時のゴディバは姪っ子の為ではなく、こうして今、愛おしい姪っ子を思う私自身の思い出の為のゴディバだったんだ…。

久しぶりにゴディバ、食べたくなってしまいました…。