今、彼岸花(ヒガンバナ)が満開です
春は、梅や桜の薄桃色。あるいは菜花の黄色。夏のひまわり、秋のコスモス…。季節ごとに、いろいろな花を見かけます。彼岸花だってそんな季節の一環、秋の花です。なのに、赤い彼岸花が咲いていると、ドキッとするのは私だけでしょうか。
学 名:Lycoris radiata
科・属名:ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
原産地:中国、日本
花言葉:情熱、独立、悲しい思い出、あきらめ
咲いているのは、田んぼや畑の脇。赤いし、群生しているし、葉が生えていないから花がまる見えで、とても目立ちます。
彼岸花が、田んぼや畑の脇に咲く理由
母が言っていました。彼岸花の鱗茎には、毒があるそうです。田んぼの脇に植えることで、ネズミがその毒を避けて近寄らず、実った稲をネズミ被害から守るのだそうです。
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリン等)を多く含む有毒植物。経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死に至ることもある。(wikipediaより)
かなりな毒性ですね…。
よくよく見ると、彼岸花ってとても繊細な姿形
彼岸花の赤と周囲の緑、その反対色の色合いにドキッとするのか。
彼岸花が持つ毒性を感じてひるむのか。
はたまた、昔から不吉であると忌み嫌われる面があるせいか。
こんなに繊細な姿形をしているにもかかわらず、1本頂いて部屋に飾りたいわ、という気にならないのが彼岸花です。
花屋で売っている白やピンクのリコリス。これだって同じヒガンバナ科です。こちらは、部屋に飾るのは平気なのに。また、仏教の経典では、「天上の花」と言われ、吉兆のしるしになる一面もあるのに…。
彼岸花の作戦
鱗茎の毒でネズミを追い払い、赤花の威圧感で人と距離を保つ。そのくせ、田んぼの脇では人の役に立っている。これが、赤い彼岸花が人里で生き残る作戦なのでしょうか。ならば、本人の思惑どおりと言えますね。
頭を垂れる稲穂と赤い彼岸花は、秋の里の風景です。