ふかふかのツタの洋服を着た大木の話

開発が止まらない不思議

いつも、不思議に思うこと。それはこの先、日本の人口は減る方向なのになぜか、土地の開発は進む一方だということ。

私の住む辺りは、住宅地が広がる一方で、低山や自然が比較的多く残っています。季節になるとツバメが多数飛来するし、夏にはカブトムシやクワガタが玄関先に飛んできます。イノシシも出るし、近所の山にはキジがいます。

手つかずの土地もまだまだありまして。そのひとつ、散歩の途中にある森に生えたこの木が好きでした。ツタが生い茂った大木です。まるで、ふかふかの洋服をまとっているようです。

散歩で見つけた植物

ツタは、ブドウ科の落葉性・蔓(つる)植物です。光を求めて、柔軟に壁や木をよじ登っていきますね。成長速度が速いのが特徴です。

なぜなら、壁や木など誰かに寄りそうので、茎を太く強くして自立する必要がありません。その分、エネルギーを成長に回すことができるというわけです。

ツタ

ところで、唐草模様は、ツタを図案化したものだそうです。唐草模様って、泥棒が背負う緑色の、あの、風呂敷です。(って、昔の泥棒のイメージ、ですね。)獅子舞の身体も唐草模様の風呂敷ですね。

ツタは成長が早いので、その生命力の強さを長寿や繁栄のシンボルとしたのですね。唐草模様には、美的な目線だけでなく、ツタの特性をちゃんと見抜いた理由と意味付けがあるんだなぁと、しみじみ感心します。

紅葉したツタ

で、最初に戻ります。ツタが生い茂った、この大木が好きだったのです。

散歩で見つけた植物

「好きだった」と、過去形なのは…、そうなのです。この森が開発されて、大木が切られてしまいました。ふかふかのツタの洋服を着た大木は、今はもうありません…。

森の木が切られる時、それから、田んぼや畑を潰してアスファルトを敷いてしまうのを見る時、心がザワザワとして、心配な気持ちが押し寄せます。そして、将来の食料自給や安全な食べものを食べたいと考えた時、「自分の畑を持ちたいなぁ…」と思うのです。

畑
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