畑で咲く可憐な白い花
まるで、野バラのような可憐な花。これは何の花かと言いますと…
イチゴです。イチゴは、バラ科の多年草なので、「野バラのような」というのは、あながち間違っていません。
さて、畑の一角に植えたイチゴ。これらは去年、畑の先輩から分けていただいた苗の子株・孫株です。ランナーを伸ばして増殖したものをまとめて植えて、冬を越しました。それが今、沢山の白い花をつけています。
この花の数だけ全部、イチゴが実ったなら素直に嬉しい…。畑仕事の合間の水分補給に、つまみ食いする気満々です。
その時、畑の先輩が言いました。
「こんなにも咲いているんなら、1株は花をいくつか摘んでみてはどうだ?」
花数を減らしたらイチゴはどう実るか、花を摘まない株と比較して検証してみたらいい、と言うのです。
なるほど…。巨峰やリンゴ、トマト等々、大きな実り・美味しい実りを得るために、摘花(摘果)や摘芯するのはよく聞く話です。菊やバラ、芍薬などの花でも、大輪の花を咲かせるために、蕾をひとつだけ残して摘み取ることをします。
これらは、株を弱らせない為にも有効と思われます。確かに、目の前には勢いのよいイチゴの株たちがそろっています。そのうちの1株だけ摘花して様子を見てみるのも面白いかもしれない、そう思いました。
そんなわけで、私は1株を選んで、その花を摘みはじめました。それにしても、可愛らしい白い花。水を張ったお皿に摘花した花を浮かべて楽しむのもいいアイデアです。
あ、蜂が飛んできて、受粉作業をしています。この蜂、私が見ている目の前で花から花へ飛び回っては忙しく働いています。こんな行程があってこそ、のちにイチゴが実るというもの。なので、邪魔はしません。
それにしても摘花の作業がはかどりません。いや、やっぱりムリです、ムリ。これ以上、花を摘むことが出来ません。
どうしたって、摘花して大きな美味しいイチゴを実らせようという研究者魂あるいはグルメ魂より、これだけの数のイチゴをつまみ食いしたい食欲(物量)のほうが勝ってしまう…。自分は、そんな域の食いしん坊であることを認めざるをえません。