雨模様の休日のこと
それは、突然のことでした。
ベランダのドアを開けて、網戸ごしの室内で、ゴソゴソ用事をすませていた時のことです。不意に、ベランダの手すりに野鳥がとまったのです。そもれ、カップル。
それはもう、目と鼻の先。スズメよりずっと大きいサイズ。艶やかで黒いビーズのような野鳥の目もはっきりと確認できます。顔形や、頭ではねた羽毛、黒と白のボディのツヤも見えます。
私の身体はフリーズしつつも、心躍りました。
今の季節、育てている植物はすべて、ベランダに出しています。その植物たちの緑に誘われて野鳥がやってくるなんて、これってステキじゃない!?。そう、思ったわけです。私の暮らしが自然に寄り添っていて、自然もまた寄り添ってくれたという親近感。
しかし次の瞬間、私はすべてを理解しました。
野鳥が、とある方向にヒョイッと移動したのです。その視線の先には、大豆の種を植えた黒いポット。
実は先日、大豆の種を畑に直播きしました。と同時に、予備として、ベランダでもポットに植えて水をあげていたわけです。ほどなくして、畑の大豆は芽を出しました。なのに、ポットからはまだ芽が出ない。
種は、今年購入したばかり。土は、畑の土を使っています。水やり、日照、どれをとっても畑よりベランダのほうが条件はいいはず。なのに、畑では芽吹いて、ベランダでは芽吹かない。何が悪いんだ? おかしいなぁ…、と。
それもそのはず。野鳥は、ポットから芽吹いた大豆の芽を狙っていたのです。芽吹いた矢先に、野鳥につまみ食いされていたようです。どうりで!! それに気づいた瞬間、野鳥は私の気配に気づいて飛び去って行きました。
そんなに簡単に、野鳥とのロマンスはおこりませんね。あれは、セキレイだったのかな…(?)
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