壷石の魅力

世の中で人気の高い石といえば、ダイヤモンドでしょうか。以前、ベルギーのダイヤモンド店で見た、控えめなサイズのダイヤモンドの主張したお値段に、その人気の程を見せつけられました。

壺石って、ご存知ですか?

一方、石は石でも、「壺石(つぼいし)」を気に掛ける人は、…そんなに多くないですよね、きっと。壷石って、これです。

壺石

盆栽コーナーの片隅で「壺石」を見つけて、「おッ、これは面白い」と感じ入っているのは、私くらいなものでした。しげしげと眺めて、形やら何やらをジロジロ確認している傍を、他のお客さんは通過です。

そんな中、一人のおじさんが声をかけてくれました。壷石は、岐阜県瑞浪市とか、土岐市、多治見市で採れるのだそうです。

「昔、○○建設の仕事をしてた頃、多治見で土堀ったらゴロゴロ出てきたもんだよ。」
と、言っていました。

壺石ができるまで

この「壷石」、地質系統の区分として新生代 新第三紀 鮮新世という遥か昔の地層から産出します。 (ポカ~ン。ピンときませんね。)

では、新第三紀ってどんな時代かというと、今から2,303万年前~258万年前の時代です。

地上では、サイやウマ、ラクダ、豚やカバの仲間が繁栄していて、最初のヒト科動物(霊長類)が出現した時代です。日本列島は、ユーラシア大陸から分離を始めました。

もう少し的を絞って、鮮新世とは、533万年前~258万年前です。そんな時代の地層から出るのが「壺石」です。

年代の数字が大きすぎて、やっぱりポカ~ンですが、分からないなりにも雄大なロマンを感じる…のは私だけでしょうか??

「壷石」は、寄り集まった小石が、石灰分や鉄分によって団塊状に固まったものです。堀りあげた「壺石」は穴を開けて、中に入っている粘土塊をくりぬき、内部を空洞にしています。

壺石の活用方法

「で…、これは何に使うんでしょう?」
と聞いたら、おじさん曰く
「飾っとくんじゃないか」
とのこと。

では、私はこれを手に入れて、飾っておくかって?いえね、花器として使いたいと思います。

帰宅して早速、水を入れてみたら、壺石に水が浸み込む音がしたので、中に、小さな器を入れて(水が漏れ出ないよう)使いたいと思っています。

自然の造形物って、心惹かれます…。

壺石

手前が壺石、奥は、軽石の鉢。なんだか同系。